お酒のQ&A

【清酒】

1升(1.8L)のお酒を造るため、お米はどれぐらい必要でしょうか?

平成21酒造年度(H21.7.1〜H22.6.30)の清酒製造状況等調査(国税庁調べ)によりますと、全国平均では、白米1kgから約1.94Lの純米酒(原酒 平均アルコール18.3度数)が造られています。市販酒は、原酒に加水してアルコール分を15度前後にして出荷していますので、15度に換算しますと白米1kgから1升(1.8L)ビン約1.3本分(約2.38L)の純米酒ができる計算になります。従って、1升(1.8L)のお酒を作るのに必要な白米は0.77kgとなります。
また、玄米から考える場合には、精米歩合が関係しますので、純米酒の精米歩合を77%とすると、玄米1kgで1升のお酒ができます。

精米歩合とは、白米重量を玄米重量で割り、百分率で表したものです。大吟醸酒は、精米歩合50%以下のお米を原料とした贅沢なお酒です。

食用米と醸造用米はどこが違いますか?

食用と醸造用の原料米は、米粒等の形状、成分等に違いがあります。
醸造用米は、食用米と比べて、たんぱく質が少なく、しっかりと精米することができる大粒であること、米粒の中央部に白く不透明な心白をもっていることが特徴としてあげられます。
これらの特徴から、醸造用米は、高精白をしやすい、麹が造りやすい、低温でも米が溶けやすいなど、香の高い繊細な酒質のお酒の醸造に向いています。

「お酒のはなし」 第15号 清酒V P3参照>

外国産米でお酒を製造できますか?

お米の種類には、大きく分けるとジャポニカ種とインディカ種があります。日本では、主としてジャポニカ種が栽培されていますが、世界的には、粒が細長いインディカ種(タイ米等)が主流です。
外国産米がジャポニカ種であれば、国産米と同じ様にお酒を造れます。しかし、インディカ種ですと、米の特性等が大きく違い、原料処理時にお米を2度蒸す等、製造方法に一工夫加えないと上手くお酒はできません。

生酛(山廃)系酒母とは、何ですか?

酒母は、醪を安全に発酵させるために必要な優良酵母を培養しますが、野生酵母や細菌の混入を防ぐために、強い酸性(乳酸)下で造られます。
酒母は、乳酸の獲得方法により、生酛(山廃)系酒母と速醸系酒母に分けられます。
生酛系の酒母では、乳酸菌に乳酸を造らせるのに対し、速醸系では、醸造用規格の乳酸を使用しています。生酛系酒母では、乳酸菌が増殖するまで時間がかかりますので、製造期間は2倍かかります。
また、生酛系の酒母である山廃酛は、生酛の製造工程である『山卸』の操作を省略(廃止)しているので、『山(卸)廃(止)』と呼ばれています。

「お酒のはなし」 第10号> 清酒U P3参照

醸造アルコールとはどのような目的で使用しますか?

醸造アルコールを添加する目的には、
@酒粕等に吸着した吟醸香等の香り成分の抽出
A酒質をすっきりとした淡麗で辛口のお酒とする
Bお酒のアルコール度数を上げることで、乳酸菌による腐敗の防止
C味を整える
があげられます。

「お酒のはなし」 第15号 清酒V P5参照>

火入とは何ですか?

火入は、お酒の温度を65℃前後まで上昇させることで、酵母による再発酵の防止,お酒を腐らせる乳酸菌の殺菌、麹や酵母由来の酵素の不活性化(働きを止める)等を目的とした製造工程の一つです。このような火入は、清酒の他に果実酒、ビールでも行われることがあります。
なお、清酒の火入の起源については、16世紀の室町時代と考えられています。

生酒とは何ですか?

清酒の製造では、貯蔵時と出荷時の2回火入を行いますが、生酒は、一度も火入を行いません。そのため生酒は、しぼりたてならではのフレッシュな香味が楽しめます。また、ひと夏越した秋口には、酵素的酸化によりヘーゼルナッツなどの木の実様の刺激的な香りが生じ、味は刺激的な荒さや渋味は減少し、甘味・うまみ・濃さが増加します。 なお、貯蔵により酒質は変わるものの、飲めなくなることではありません。
生酒は、酵素が活性(酸化反応やでんぷんの分解等化学反応を行える)状態のため、酒質が変わりやすくなっています。冷暗所に保存の上、開封後はできるだけ短期間で飲用されることをお勧めします。

にごり酒とは何ですか?

清酒は、醪を酒袋などに入れて圧力をかけて搾り、酒粕と分けることで造ります。
目が細かい綿や化学繊維等の酒袋を使いますと、酒中のおり※は少なくなります。逆に、目の粗い袋やザル等を使いますと、酒中のおり等は多くなります。にごり酒は、目の粗い袋やザル等で漉すことで、おり等を多く残しにごらせたお酒です。
にごり酒は、火入れを行わないことが多く、酒質が変わりやすいため賞味期限が短くなります。一方、にごり酒を火入殺菌することで、賞味期限を長くした製品もあります。

おりとは、醪中にある原料米、米麹やその分解物、酵母のことです。

清酒の甘辛とは何ですか?

清酒の甘辛については、清酒中の糖分と酸度のバランスによってほぼ説明できます。
清酒中の糖分が同じであれば、酸度が高くなると甘味を感じなくなり、逆に酸度が低くなると甘味を感じます。例えば吟醸酒は、分析値からは糖分が少ないので辛いお酒と考えられますが、官能的には、酸が少ないため、甘く感じるお酒もあります。
この他にも、清酒中に含まれる香り成分の影響や、口当たり等が影響します。

清酒が古くなり腐ると、酢になりますか?

酢(酢酸)は、原料になる穀物または果実をアルコール発酵させて酢醪を醸造し、この酢醪に酢酸菌を加えて酢酸発酵を行なわせることで造ります。
酢酸菌は、アルコール分が10%以上では生育できないため、通常の清酒(低濃度アルコール酒を除けば、アルコール分は15度程度)は、古くなっても酢にはならないと考えられます。


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