理事長あいさつ
このたび、独立行政法人酒類総合研究所の理事長を拝命いたしました。就任にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
酒類総合研究所は、明治37年(1904年)に酒類に関する唯一の国の研究機関として設立された「大蔵省醸造試験所」を前身とし、平成13年4月に「酒税の適正かつ公平な賦課の実現に資するとともに、酒類業の健全な発達を図り、あわせて酒類に対する国民の認識を高めること」を目的として設置された独立行政法人です。
令和8年4月から、第6期中期目標期間の5年間がスタートしました。
この5年間においては、
1.酒類業の振興のための取組
2.酒税法、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の適切な運用のための取組
3.酒類に関するナショナルセンターとしての取組
の3本の柱を中心に、「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」や「地方創生2.0基本構想」など、政府の重要方針を踏まえ業務を行っていきます。
酒類業の振興のための取組については、日本産酒類の競争力強化等、酒類製造の技術基盤の強化、酒造技術の伝承及び酒類業界の人材育成、酒類の品質及び安全性の確保を実施します。
日本産酒類の輸出促進の観点からは、ユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」の要件となる醸造微生物や酒類の原料・成分等に関する基盤的研究、近年の気候変動が酒類の原料の醸造特性に与える影響に関する研究を中心に、AI等も活用しつつ酒類製造の技術基盤の強化を図ります。
また、酒造技術の伝承・発展及び酒類業界の人材育成の観点からは、明治時代より100年以上にわたり実施している酒類醸造講習や鑑評会を引き続き業界団体と共催するほか、酒類の品質及び安全性の確保の観点からは、近年の新たな潮流を取り入れた製造方法に関する研究などを実施してまいります。
さらに、酒税法等の適切な運用のための取組については、酒類及び酒類原料の判別技術等、高度な分析・鑑定やその理論的裏付けとなる研究・調査などを行い、国税庁の技術的基盤としての役割を着実に担ってまいります。
これらの取組については、100年以上に及ぶ歴史の中で当研究所に蓄積された酒類に関する知見を活かしつつ、国税庁、酒類業界、大学、公設試験研究機関等の皆様とのより一層の連携強化を図ります。また、日本産酒類に関する正しい科学的知識や魅力、特性、「伝統的酒造り」技術等に関する情報発信や研究活動・成果の積極的な解説・普及といったアウトリーチ活動により国内外へ専門知識等の普及・啓発を図り、酒類に関するナショナルセンターとしての役割を果たしてまいりたいと考えております。
今後とも酒類総合研究所の業務にご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
令和8年4月
理事長 大串 憲祐