6461793: ムコール属由来のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼの生産方法

概要

血糖自己測定用のバイオセンサに好適な、糖鎖結合量が均一であるFAD-GDHの効率的な生産方法を提供する。
クリプトコッカス属の微生物中で、配列番号1または7で示される塩基配列またはそれと均等の範囲の塩基配列で表わされるFAD-GDH遺伝子を発現させる工程を含むことを特徴とする、糖鎖結合量が均一であるFAD-GDHの生産方法。所望により、FAD-GDH遺伝子の5′側に、配列番号2~6のいずれかの分泌シグナルペプチド配列が結合される。本発明の方法によれば、糖鎖を含んだ状態で95~100kDaの分子量を有するFAD-GDHが得られる。

請求項1

ムコール(Mucor)属に由来するフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼの生産方法であって、クリプトコッカス(Cryptococcus)属の微生物中で、以下の(A)または(B)の塩基配列の5′側に分泌シグナルペプチドをコードする塩基配列を結合させて得られる塩基配列で表わされるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ遺伝子を発現させる工程を含むこと、分泌シグナルペプチドが、以下の(C)~(G)からなる群より選択されるいずれかのアミノ酸配列で表わされること、生産されるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼが、糖鎖を含んだ状態で95~100kDaの分子量を有する酵素タンパク質であること、およびクリプトコッカス属の微生物が、受託番号FERM BP-11482で表わされるクリプトコッカスsp.S-2(Cryptococcus sp.S-2)の変異体に、クリプトコッカスsp.S-2(受託番号FERM BP-10961)に由来するade1遺伝子を導入することによって得られるさらなる変異体であることを特徴とする方法:

  1. (A) 配列番号1または7で示される塩基配列;
  2. (B) 配列番号1または7で示される塩基配列に対して90%以上相同な塩基配列であって、フラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ酵素活性を持つタンパク質をコードする塩基配列;
  3. (C) 配列番号2で示されるアミノ酸配列;
  4. (D) 配列番号3で示されるアミノ酸配列;
  5. (E) 配列番号4で示されるアミノ酸配列;
  6. (F) 配列番号5で示されるアミノ酸配列;
  7. (G) 配列番号6で示されるアミノ酸配列。

請求項2

分泌シグナルペプチドが、(D)または(E)のアミノ酸配列で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

分泌シグナルペプチドが、(E)のアミノ酸配列で表わされることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。

請求項4

請求項1~3のいずれかに記載の方法によって生産されるフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼ。

請求項4

グルコースを基質とする酵素として、請求項4に記載のフラビンアデニンジヌクレオチド結合型グルコースデヒドロゲナーゼを使用することを特徴とする血糖自己測定用バイオセンサ。