7141648: ゲノム編集タンパク質の直接導入による糸状菌ゲノム編集方法

概要

ゲノム編集タンパク質の直接導入による糸状菌ゲノム編集方法

請求項1

第1の標的遺伝子に対する第1のゲノム編集タンパク質複合体と、第2の標的遺伝子に対する第2のゲノム編集タンパク質複合体を、アスペルギルス属菌の細胞に直接導入する工程を含む、アスペルギルス属菌ゲノム上の複数の遺伝子を編集する方法であって、第1及び第2のゲノム編集タンパク質複合体のそれぞれが、Cas9タンパク質とガイドRNAとの複合体、ニッカーゼ改変型Cas9タンパク質と一対のガイドRNAそれぞれとの複合体、及びデアミナーゼと連結されたニッカーゼ改変型若しくはヌル変異型Cas9タンパク質とガイドRNAとの複合体から選択される複合体であり、プロトプラスト化したアスペルギルス属菌細胞106個に対して10μg以上の前記各複合体を添加する、方法。

請求項2

第1の標的遺伝子に対する第1のゲノム編集タンパク質複合体と、第2の標的遺伝子に対する第2のゲノム編集タンパク質複合体を、アスペルギルス属菌の細胞に直接導入する工程、及び第1及び第2の標的遺伝子が編集されたアスペルギルス属菌細胞を選択し回収する工程を含む、ゲノム上の複数の遺伝子が編集されたアスペルギルス属菌株の作出方法であって、第1及び第2のゲノム編集タンパク質複合体のそれぞれが、Cas9タンパク質とガイドRNAとの複合体、ニッカーゼ改変型Cas9タンパク質と一対のガイドRNAそれぞれとの複合体、及びデアミナーゼと連結されたニッカーゼ改変型若しくはヌル変異型Cas9タンパク質とガイドRNAとの複合体から選択される複合体であり、プロトプラスト化したアスペルギルス属菌細胞106個に対して10μg以上の前記各複合体を添加する、方法。

請求項3

Cas9が、ストレプトコッカス・ピオゲネス由来のCas9である、請求項1又は2記載の方法。

請求項4

ガイドRNAは、標的遺伝子領域中に存在するNGG配列の上流側隣接配列を標的配列とし、該標的配列と同一の配列(ただしTはUとする)の3'側にcrRNA及びtracrRNAのキメラ配列が連結された構造の一本鎖RNAである、請求項3記載の方法。

請求項5

アスペルギルス属菌が麹菌である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

麹菌がアスペルギルス・オリゼである、請求項5記載の方法。

請求項7

前記第1及び第2の標的遺伝子の少なくともいずれかが、薬剤感受性遺伝子、又は代謝系アナログ物質感受性遺伝子である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

第1の標的遺伝子に対する第1のゲノム編集タンパク質分子又は複合体と、第2の標的遺伝子に対する第2のゲノム編集タンパク質分子又は複合体を、アスペルギルス属菌の細胞に直接導入する工程、及び第1及び第2の標的遺伝子が編集されたアスペルギルス属菌細胞を選択し回収する工程を含む、ゲノム上の複数の遺伝子が編集されたアスペルギルス属菌株の作出方法であって、前記第1及び第2標的遺伝子の一方のみがポジティブセレクションできる遺伝子である、方法。

請求項9

第1及び第2のゲノム編集タンパク質分子又は複合体のそれぞれが、Cas9タンパク質とガイドRNAとの複合体、Cpf1タンパク質とガイドRNAとの複合体、PPR-DNA切断ドメイン融合タンパク質、ニッカーゼ改変型Cas9タンパク質と一対のガイドRNAそれぞれとの複合体、デアミナーゼと連結されたニッカーゼ改変型又はヌル変異型Cas9タンパク質とガイドRNAとの複合体、TALENタンパク質、又はZFNタンパク質から選択される、請求項8記載の方法。

請求項10

Cas9が、ストレプトコッカス・ピオゲネス由来のCas9である、請求項9記載の方法。

請求項11

ガイドRNAは、標的遺伝子領域中に存在するNGG配列の上流側隣接配列を標的配列とし、該標的配列と同一の配列(ただしTはUとする)の3'側にcrRNA及びtracrRNAのキメラ配列が連結された構造の一本鎖RNAである、請求項10記載の方法。

請求項12

アスペルギルス属菌が麹菌である、請求項8~11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

麹菌がアスペルギルス・オリゼである、請求項12記載の方法。

請求項14

ポジティブセレクションできる遺伝子が、薬剤感受性遺伝子、又は代謝系アナログ物質感受性遺伝子である、請求項8~13のいずれか1項に記載の方法。