7352929: 固体培養時の糖質分解酵素生産能が高いアスペルギルス属菌株の作出方法

概要

固体培養時の糖質分解酵素生産能が高いアスペルギルス属菌株の作出方法

請求項1

麹菌親株を変異処理し、2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)に耐性を示す2-DG耐性株を取得する工程と、得られた2-DG耐性株のglkA遺伝子の配列を解析し、glkA遺伝子に変異を有する株を選択する工程とを含む、固体培養時の糖質分解酵素生産能が前記親株よりも高い麹菌株の作出方法であって、前記麹菌が黒麹菌又は白麹菌である、方法。

請求項2

前記糖質分解酵素は、α-アミラーゼ、エクソ-α-1,4-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼ、及びβ-キシロシダーゼから選択される少なくとも1種を含む、請求項1記載の方法。

請求項3

glkA遺伝子の変異が、ミスセンス変異、ナンセンス変異、フレームシフト変異、又はglkA遺伝子ORF及びプロモーター領域のうちの少なくとも一部を欠失する変異である、請求項1又は2記載の方法。

請求項4

glkA遺伝子変異株を固体培養し、糖質分解酵素生産能を調べることをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

前記麹菌が黒麹菌である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

glkA遺伝子に変異を有する、該変異を有しない親株よりも固体培養時の糖質分解酵素生産能が高い黒麹菌又は白麹菌である麹菌であって、前記変異は、配列番号2に示したアミノ酸配列における第173番アミノ酸がリジンからグルタミン酸に置換する変異、第233番アミノ酸がグリシンからアスパラギン酸に置換する変異、第270番アミノ酸がグルタミン酸からリジンに置換する変異、第278番アミノ酸がロイシンからプロリンに置換する変異、第300番アミノ酸がグルタミンからリジンに置換する変異、並びに第173番アミノ酸、第233番アミノ酸、第270番アミノ酸、第278番アミノ酸、第300番アミノ酸又は第370番アミノ酸におけるナンセンス変異から選択されるいずれかの変異であり、前記糖質分解酵素は、α-アミラーゼ、エクソ-α-1,4-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼ、及びβ-キシロシダーゼから選択される少なくとも2種を含む、麹菌。

請求項7

前記変異を有しない親株よりも固体培養時のクエン酸生産量が低い、請求項6記載の麹菌。

請求項8

glkA遺伝子の変異が、配列番号2に示したアミノ酸配列における第173番アミノ酸がリジンからグルタミン酸に置換する変異、第233番アミノ酸がグリシンからアスパラギン酸に置換する変異、第270番アミノ酸がグルタミン酸からリジンに置換する変異、第278番アミノ酸がロイシンからプロリンに置換する変異、第300番アミノ酸がグルタミンからリジンに置換する変異、及び第370番アミノ酸におけるナンセンス変異から選択されるいずれの変異である、請求項6又は7記載の麹菌。

請求項9

黒麹菌である、請求項6~8のいずれか1項に記載の麹菌。

請求項10

請求項6~9のいずれか1項に記載の麹菌を繁殖させた麹を用いて醸造を行なうことを含む、焼酎の製造方法。