金井主任研究員が第54回生物工学奨励賞(江田賞)を受賞しました

第73回日本生物工学会大会(令和3年10月27日(水)~29日(金)、オンライン大会)において、当研究所の醸造微生物研究部門の金井主任研究員が第54回生物工学奨励賞(江田賞)を受賞しました。

受賞対象

「清酒酵母の機能性成分高蓄積機構とその応用に関する研究」

受賞者

金井 宗良

業績紹介

近年、食品分野において発酵や健康機能性が注目されている。清酒製造に必須な清酒酵母は、S-アデノシルメチオニン(SAM)や葉酸など、さまざまな機能性成分を高蓄積する特性を持つ。

受賞者は、SAM高蓄積機構の解明としてアデノシンキナーゼをコードするADO1遺伝子の機能欠損がSAM高蓄積を示すこと、そして、その破壊株が示すコルディセピン耐性を指標に実製造に使用可能なSAM高蓄積酵母の育種法を開発した。さらに、QTL(quantitative trait locus)解析から清酒酵母におけるSAM高蓄積に寄与するERC1遺伝子を同定し、分子生物学的手法によりSAM高蓄積とアルコール発酵性との関係を明らかにした。これらの成果はさまざまな酵母にも応用が可能であり、江田賞に値するものである。

(生物工学 第99巻 第8号(2021))

掲載:2021年11月9日