福田部門長が平成27年度日本醸造協会伊藤保平賞を受賞しました

平成27年10月6日(火)~7日(水)に東京都北区で開催される平成27年日本醸造学会大会において、当研究所の福田央醸造技術基盤研究部門部門長が日本醸造協会伊藤保平賞を受賞しました。

受賞対象

「清酒酵母判別のためのプライマー設計に関する研究」

受賞者

福田央・周延・三上重明

業績紹介

醸造酵母の菌株判別は、菌株管理の上で重要ですが、従来は、培地組成の異なるプレート上での生育・染色性・糖の発酵性等により菌株を判別してきました。しかし、清酒酵母の内、協会7号酵母、高エステル生成酵母、リンゴ酸生産性酵母などは培地条件を変えることで判別できましたが、大半の菌株は判別が困難でした。

酵母の染色体DNAの単純な繰り返し配列(ミニサテライト配列)及び動く遺伝子と言われているトランスポゾンに由来する長鎖末端反復配列を利用して清酒酵母判別の効率を改善することができ、清酒酵母の系統(協会6,7号系、協会9号系、協会10号系)や菌株によっては特定が可能となりました。また、清酒酵母と清酒酵母以外の焼酎酵母・ワイン酵母との判別も可能となりました。

参考文献

  1. 福田央, 周延, 三上重明 : 醸協, 101(5), 357-364 (2006)
  2. 福田央, 周延, 三上重明 : 醸協, 101(8), 601-613 (2006)
  3. 福田央, 周延, 三上重明 : 醸協, 102(2), 139-145 (2007)
  4. 福田央, 周延, 三上重明 : 醸協, 107(1), 57-67 (2012)
  5. 福田央 : 醸協, 109(4), 202-211 (2014)